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2017年9月3日日曜日

"行き着くその場所はどこよりも美しい"

みなさん、辛い時や疲れた時はどうやってリフレッシュしますか?(・・ )

僕は物語を摂取します。様々な状況の中での人々の生きざまに没入することで、自分の現在の苦境を解決するヒントがつかめると思っています。それが高じていまや自分で書くようにまでなってしまいました(笑)。

媒体は問いません。アニメ、マンガ、ドラマなどなど。ただ多いのはこの2つ――小説音楽です。
前者は昔から存在する、ストレートにお話を伝えてくれる媒体でしょう。そして後者、音楽も、同じくらいもしくはもっと昔から存在した、ひとつのストーリーを伝える手段だと思います。
そしてさる8月30日、そんな音楽の世界から、またひとつ素晴らしい物語が届けられました!

la la larks1stフルアルバム『Culture Vulture』発売です!



以前のブログでも書きましたが収録曲全12曲、どれもメチャクチャ格好良いです。
全曲を通じて、僕がla la larksの魅力だと思う将来にある光・その過程にある苦難・それを越えて未来へ進む意志……といった人間の生き様が伝わってくる気がします。
結成当初から歌われている『self』はこのテーマをストレートに現わしている曲で、最後の曲として収録されている理由も分かるというもの。

このアルバムはそれに加えて“次のステージを感じさせる内容”(音楽情報サイト「リスレゾ」インタビューでのvo.内村さんの発言)を提示してくれています。
それを代表しているのがやはり、新曲の『Massive Passive』『Reset』でしょう。
『Massive(略)』に関しては以前のブログで書いたので今日は『Reset』について。

『Reset』は風が吹き抜けていくような、爽やかな雰囲気が印象的な曲です。
サウンドだけでなく歌詞にもそれが現れていて、
“縮こまる世界なら蹴飛ばして”“運命を決めつけた僕を捨てよう”など、前向きな言葉がちりばめられています。
そしてトドメ(?)のような、サビの“行き着くその場所はどこよりも美しい” “向かい風は今空っぽの手の中”というフレーズ!

これまで提示してきた苦難に耐える、立ち向かうという姿勢だけでなく。
それらさえも全部飲み込んでしまって、先にある灯りは必ず素晴らしいものだ、という確信を伝えているように感じます。

今作が伝えてくれた物語、それが描く生き様や価値。僕もそれを受け止めて新たな物語を世に放ちたいです。絶賛準備中。

まずはぜひぜひ、実際に音源を、そしてライブを聴いてみてください!
タワーレコード渋谷店で購入すれば9月18日のインストアライブにも参加できるそうですよ(^^ )
しかし公式のイベントまとめが弱いんですよね。つくろうかなぁ。

2017年7月2日日曜日

世界は大丈夫だ。

平常運転に戻すと言っておきながら一週間も空いてしまいました。ハズカシイ……。

そんなことしてる間に、ついにこの日がきてしまいましたよ。

シュピーゲル最終巻発売ですよ。



シュピーゲル最終巻発売ですよ!(くどい)

長かった/とうとう終わっ(てしまっ)た――第一声はこの言葉に尽きました。もうね、中身関係ないんですけど。とにかく出たということが重要なんです。10年追っかけてましたからね、10年。当時のうぶちんはまだまだ知名度低かったのに、今じゃ押しも押されぬ人気作家。僕なんぞのメールに返事してくれてたような人が本屋大賞受賞の直木賞ノミネートですから。

感慨がとにかくすごくて……。勢い余ってSSを書いてしまいました。(クリックで作品へ)

このSSはもう、良い気持ちしか書いてないです。正直に言って、読了直後は胸が良い気持ちでいっぱいでした。

もちろん細かいことで、ちょっと残念だな~っていう点もあるんですよ?

特甲猟兵が白露以外救われる描写もなく全滅しちゃって、誰か一人くらい生き残ったり、過去の描写があったらな、とか。
他はみんなカップル成立なのに吹雪だけ目を覚まさないとか悲しすぎィ!とか。
カール・クラウスとハンス・W・クラインの描写アッサリしすぎちゃう?とか。
日本人移民の設定とか冬真が死ぬことを“消えた”と思っちゃう設定は掘り下げないの?とか。
オイレン・スプライト各4巻のFBIとCIAはあれきり!?とか。

ま、そのへんは全部自分の二次創作で書けってことですね!
うぶちん、題材をくれてありがとう!!(マジキチスマイル)

とりあえず『シュヴェーアト』がうまくいったら、特甲猟兵の過去話をシリーズ化したい……。するぞ!

2017年5月20日土曜日

シュピーゲル二次創作作品感想その2:神城蒼馬さん「ヴィントシュピーゲル弐 ウサギとカメのロンド」

 5月も後半に入ってしまいましたね。今月はどういう月ですか?僕にとっては忙しい月です。労働的な意味で。悲しい。

 あまりの忙しさに五月病になる暇もありませんでした。通り越してフロー状態です。ずっと今月が終わらずに続いて、時間面がこのまま止まってしまいそうな雰囲気。おっ、聞き慣れたワードが出てきたぞ?これはシュピーゲルの話題ですか??いいえケフィアです(古い)そうです、恒例にしたいと思っているシュピーゲル二次創作感想シリーズ!

 今日は神城蒼馬さん(ツイッタ:@sohma_k)の「ヴィントシュピーゲル弐 ウサギとカメのロンド」を拝読しました。(クリックで作品へ)



 え、なぜ弐からなんだ、って?うーん、ほら、弐からでも読めるって言われたからさ、ね??
・・・・・・すみません、去年の冬コミで隣のブースになったご縁で頂いたのを放置していただけですゥッ!(土下座)(頭をめり込ませつつ)

 途中までは読んでいたんですよ。ちゃんと感想ツイートもしましたし。でもその頃から名古屋ティアの準備が始まってしまって、ちょっと気持ちが・・・・・・。申し訳なさで恐縮しきりです。今の僕の気分といったら関さんに授時暦の誤りを指摘された時の春海にも劣りませんよ。もう湯呑投げつけられても何も言いません。無理がある?

 うーん、挽回の為に内容について触れます。一言で言って、大変良い二次創作でした!!

 神城さんはシュピーゲル二次創作界隈の重鎮(推測)で、シュピーゲルまとめwiki(クリックでサイトへ)をお作りになったり、色々な企画をされています。特にこの「ヴィント」の一巻は冲方サミットでも取り上げられたほどです!

 やはりそれだけ熱心に作品を読み込んでらっしゃるだけあって、原作の大小様々なエピソードをうまく膨らませています。この「ヴィント弐」の主人公のオリジナル特甲児童:鳴の正体が実はあの巻の×××だったなんて!

 敵も×××だとは思わなかったな。確かに言われてみれば、さらっと出てきてこの後どうなったんだ?みたいなキャラ、結構いますもんね。×××のところに何が入るかは実際に作品を読んで確かめましょう。クランチ文体の再現度も高く、原作を読んでいるような気分になれて、とても読みやすいですよ。

 なかなかそれらしく真似できないので、僕はクランチ文体を使うのは避けてきたんですが、こんな読後感を出せるならまたトライしてみようかと思い直しましたほどです。ガンバルゾ~。

 ぜひ読んでさしあげてくださいね!!

2017年5月14日日曜日

シュピーゲル二次創作作品感想その1:ラピツティアさん『"Tanzen statt Worte"』

 
 今日の愛知は暑かったです・・・・・・。昨日は風雨が強くてまるで台風が来たみたいだったし、もう夏が近づいてきている感じがしますね。

 夏といえば?そう、夏コミ~!(強引)

 他の作品の宣伝や感想の投稿が多くなっていますが、ちゃんと夏コミに向けた準備も始めています。今は資料をチェック中。もう必要なものは集めて、内容を精査しております。

 その一環で、他の方々が書かれたシュピーゲルの同人作品を読み直しています。どういうジャンルにニーズがあるのか知りたいなと思いまして。去年の冬コミ以来自分のことで手いっぱいで、拝見できていなかったですし……。申し訳ナス……。

 今日読んだのはラピツティアさん(ツイッタ:@rabbitia)の『"Tanzen statt Worte"』!(クリックで作品ページへ行けます。)

 オーストリアで実際に開催されている「軍人舞踏会」に参加した特甲猟兵ズ=白露/陸王&秋水&剣兄弟の様子と、彼らが抱く思いを描いた作品です。
 
 ラピツティアさんは既に5年以上シュピーゲルの二次創作小説を投稿されていて、数も20作を越えていらっしゃる実績のある方です。継続は偉大!

 今作は読後感がとても爽やかでした。兄弟合体(なんだそれ)してしまった後の陸王も出てきて、そんなに明るい話ではないはずなのですが。かつて正気だった頃の白露の内面や、夕霧との楽しい交流の一幕が明るい印象を持たせてくれたのだと思います。

 タイトルは和訳すると「言葉の代わりのダンス」でしょうか。内容を直球で示した良いタイトルだと思いました。

 全然数えたわけではないですが、特甲猟兵ズがまだ希望にあふれていた頃を書いた二次創作作品が多いような気がしますね?(自信が無い)夏コミで出す自作『シュヴェーアトシュピーゲル』は剣を主人公にする予定なので、被らないように気を付けないと……。

 とはいえ、まずは特甲児童達を魅力的に描くのが必須条件!頑張りますv(- -)v

2017年5月4日木曜日

『設定』と『かわいい』では弱い?


今日は久々にマンガの紹介をします!こちらです。



原作:谷口悟朗/作画:樋口彰彦 
『アートレイル-ニセカヰ的日常と殲滅エレメント-』

自分で定めた予定、『日常』にこだわりをもつ高校生、四十万伊織はある日唐突に謎の存在、『アートレイル』(表紙の黒い四角いもの)と遭遇します。
そして同時に、アートレイルが地球の半分を消し飛ばしたこと、自分がアートレイルと『対話』するために生み出された人工的な存在であったことを知らされます。
それだけでなく、これまでの生活はその能力を測るためかりそめに『設定』されたものであったと知るのです……。

 発売当初は『無限のリヴァイアス』や『コードギアス』で有名なアニメ監督、谷口悟朗さんの初のマンガ原作!という触れ込みで大々的に登場したマンガです。声優さんに声をあててもらうイベントなどやって、大きく宣伝していました。谷口さんらしく、大味なSF設定と、目を引くキャラクターがこの作品の第一の魅力でしょう。

 作画の樋口彰彦さんも京極夏彦さん『ルー=ガルー』のコミカライズなどで実績のあるマンガ家さんで、とてもかわいい(迫真)絵を描かれています。昔はアクション描写に少し物足りなさがあったのですが、この『アートレイル』では迫力を増しており、かわいさ(重要)と恰好良さが同居して魅力となっています。

しかしこの作品……、宣伝のわりに売れなかったのか、2巻以降の単行本が未発売&発売自体未定なのです!
もう4巻分溜まっているらしいのに(; ;)(樋口さんツイッターより)

確かに、一見しただけだとどこが面白いポイントなのか分かりにくい点があると思うので、読者がついてこれなかったのかもしれません。
しかし!『設定』された自分の境遇に抗う伊織の生きざまと、樋口さんによって描かれる伊織を支える仲間の面々の可愛さ(大事なことなので二度)&凛々しさは心に残るものがあります。



2話より。webでも読める話なので転載します。伊織が母(設定)だったこずえにつめよるシーンなのですが、このお母さんの表情かわいすぎではないですか?(小並感)


ぜひ皆さん読んでみてください。そして単行本続刊刊行の声を出版社に伝えてあげて頂ければ幸いです(_ _)

2017年2月17日金曜日

調和していない「ハーモニー」

 アニメ映画「ハーモニー」を観ました。今更。先週観てきた「虐殺器官」が面白かったからです。ミーハーだという自覚はあります。「屍者の帝国」はちゃんと公開中に観たんですよ!
 
 でも結論から言ってしまうと、シリーズの他2作品に比べると「ハーモニー」はあまり良いと思いませんでした……。序列で言うと「虐殺器官」>「死者の帝国」>「ハーモニー」。実は僕にとっての原作の評価も同じ順なんですよね。ということで今日はどこが好みでなかったかを書こうと思います。単に初読の印象を超えられないっていう話かよ!と突っ込まれたらちょっと詰まってしまうんですが。ご愛敬。

※以下ネタバレ含みます。

 全般的に抱いた感想は「どこを目指しているか分からない」ということです。原作が目指していたのは、安全と平和のために他者との同一化を望む一方、個人としての欲望や揺らぎを捨てきれない人間の苦悩の表現だったと僕は思います。父と友人を殺された個人的な復讐のためにかつての同士ミァハとの決別を選ぶというトァンのキャラクターとストーリーラインは、自身の意思で選択をする人間の姿を書ききっていました。「何もかもが自明に選び取られることによって意識が消失する」という作中のアイデアは少々実感を持ちにくいものでした。なにせ我々は意識をもって作品を摂取しているわけですから。これによりエンタメとしては少々難のあるものになってしまっていましたが、それを鑑みてもこのストーリーラインなお説得力のある読後感を与えてくれていたと思います。

 しかし映画版において、トァンがミァハに銃を向ける際に叫んだ言葉は「私の好きだったミァハのままでいて」「愛してる」です。そして殺してしまう。もちろん人を愛するというのも立派な個人の想いです。でもそれで殺すでしょうか。意識がなくなるまで一緒にいれば良いでしょう。

 原作になかった同性愛的な描写が増やされたのも得心が行きません。「このおっぱいも、このあそこも…(略)」というミァハの台詞は原作にもあって、いかにも男から見た百合的会話だなぁと感じて僕は好きではなかったのですが、映像で実際に行為に及んでいる姿を見せられると、より萎えてしまいました。そんなウェットなもののために個人であろうとしていたのか?ミァハやトァン、ミァハの語った子供たちの生きづらさはそんなもので解決できるものだったのか?

 

 あまり説得力の無い文章を書いてしまいました。原作が手元にないのがイタイです。時間切れなのでこの辺で。精進します。