2017年1月12日木曜日

自分的冲方作品テーマソング その2-GARNET CROW「君を飾る花を咲かそう」

 というわけで(?)今日は「はなとゆめ」をとりあげます。まずは今回のタイトル通り、曲をひとつご紹介!↓






 GARNET CROW「君を飾る花を咲かそう」です。コナンのOP・EDをたくさん歌っていたので、ご存知の方もいらっしゃるかもしれません。

 実はこの曲は前回、「はなとゆめ」をとりあげる!と言って(しまって)から慌てて探して選びました。安直に選んだと思われる方もいらっしゃるかもしれません。でも今この文章を書くにあたり聞き返していると、これ以上「はなとゆめ」にマッチしている曲はないのではないか、という思いが強くなっています。少なくとも僕が知っている限りでは。

 この小説で一貫して描かれているのは「自分が価値を見出したものを抱き続ける」ということだと思います。主人公の清少納言が仕える中宮定子は夫である一条帝を一心に愛し、また愛されるために、酷い嫌がらせを受けても朝廷で凛として暮らし続けます。同時に清少納言も定子の生きざまを見届け、その暮らしで感じた愛しさや素晴らしさ、すなわち花を「枕」こと枕草子として残そうと力を注ぎます。清少納言のその生き方を「君を飾る花を咲かそう」の歌詞は言い表しているかのように感じるのです。

 作中の印象的な場面で、清少納言は繰り返すかのように、花を見たことを後悔したりしない、と言っています。その花が見せてくれた素晴らしい景色が“わたしをわたしでいさせてくれるのですから”と。(文庫版P346より引用)
 清少納言が定子とともに歩んだ人生から得たのは、まさに“数え切れないやさしい想い出を包み込むほどの甘い香り”であり、それを「枕」として書き残すことが自分よりも先に旅立った定子へ“出来ること”だったのではないかと思います。この曲を聴いていると、最初は定子に顔を見せることさえ恥ずかしがり“出来ることは何もない”と委縮していた自分を乗り越え“強く生きる”ようになった清少納言の姿が浮かんでくるような気がします。

 GARNET CROWはすでに解散してしまいましたし、「はなとゆめ」も少し前の作品です。しかしそれゆえ手に入りやすい!前者はベスト盤が出ているし、後者は文庫が発売済みです。ぜひ手に取ってみてください。

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